十月の初め(日記)

二階からリビングに降りていくと、金木犀の香りがする。季節性情動障害(診断を受けたわけではないが、高校生の頃から数年かけて自分はそうだと思うに至った)の予防には光を浴びるといいので、散歩をするように心掛けようと思う。昨日はドリンクのテイクアウトサービスがあることを期待して、駅向こうのお店に初めて行った。残念ながらテイクアウトのメニューは食事だけだったが、代わりにハーブティーの茶葉を販売していたので、煎茶とレモングラスブレンドを買う。広くはないが天井の高い店内の片隅に置かれた、茶色のピアノが素敵だった。また来たいと思う。

家に帰る道すがら、お隣さんの庭に大きな金木犀の木があることに気付いた。気付いた、って、何年も住んでいてそれはないだろうと思ったが、わたしはここ数日金木犀の香りがするたびに「どこから香って来るのだろう」と考えていたのだった。去年の今頃は日本にいなかったから忘れてしまったのか、一昨年の自分はちゃんとそこに金木犀の木があることを意識していたのか、わからない。

金木犀の香りが辺りに満ちていると、季節は秋であると認識させられる。それなのに気温は下がりきらないままで、薄手のトレーナーを着ていても暑かったりする。さすがに寝る時は寒いのでパジャマを長袖にした。が、お風呂上りに机に向かっている時などどうにも暑くて集中に欠ける。ひとまず明日は半袖を着ることにした。

 

2020年10月19日投稿