映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』感想はしり書き

原作を読んでいない人間の感想です。言わずもがな映画についても素人。原作漫画を読めばいろいろと納得することがあるのかも! 魅力的なところもある映画だったが、TVシリーズと比べると見劣りするかな。Z-13倉庫に至るまでのほとんど全ての展開が説明的すぎ…

大学院の一年目

一年目。あっという間に終わろうとしている。あまりにも見える景色が変わった。もしも大学院に来ていなかったら、なんて、想像しようとしたってできないくらいに。 あまりにも、と、書いたけれど、見える景色の何が変わったのかと言えば、それはほんの一点だ…

1月1日

一年の簡単な振り返りと、それよりずっと長くなりそうな見に行った舞台のまとめとが、書きかけのままになっている。(書き終わらなかったのは、クリスマスのちょっと前から体調を崩していて、12月31日にようやく書き始めたから。)書きかけの振り返りを完成…

4月と5月

4月。授業初週の木曜日、コース図書室の机をはさんであちらとこちら、机上に展開される広漠とした構想に圧倒される。5日が2週間に、2週間が1ヶ月に感じられる刺激の多さ。たったひと月を生き延びるあいだに「まだ4月」「まだ4月なのか!」と何度も感じていた…

卒論を終えて

いちど下書きに下げていたものをあげなおしたら記事同士の順番がめちゃめちゃになってしまった。忘れた頃に読み返したがよさそうな内容だったので公開に(下書きに入れておくと完全に忘れ去ってしまうよね)。 院試が終わった時に勉強方法とかをまとめたので…

ダミアン・ハースト 桜 展 感想

ちょ………っと、なにをどう見たらいいのか分からない。分からないので、ダミアンハーストによるタイトルを見ずに、自分でタイトルを付けて遊んだりしていた。 直感的に思い浮かんだイメージをそのまま言葉にしただけ、という感じだけど。3. 川沿いの桜、あるい…

フェルメールと17世紀オランダ絵画展 感想

今回の目玉である『窓辺で手紙を読む女』は、2017年からの調査・修復で塗りつぶされていたクピドを復元したらしい。え、めっちゃ最近じゃない?修復が完了したのが2021年だというから、日本にはなかなかのスピードでやってきたことになる。世界各国の美術館…

院試勉強の記録

勉強したもの/よく見てたもの (これだけでは足りないけど、これらから芋づる式に派生させて。) 放送大学の『表象文化研究』『文化と芸術表象』 京都藝大から出てる「芸術教養シリーズ」 ミネルヴァ書房の『よくわかるメディアスタディーズ』 『現代美術の…

ゴッホ展 感想

ゴッホ展に行った。彼の作風はその短い画家人生のなかでも時期によってそれぞれ異なることや、自分が惹かれるのはいつの作品のどんなところなのかを改めて知った。 数年前に「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」で見た果樹園の絵と再会して嬉しい。キャプションに…

十月(日記)

10月。院試が終わってバイトを再開した。シフト日数は自由だが、勤務日は基本8時間労働なので、翌日など疲れてろくに勉強できない日が多くなってしまった。こんなことならいっそ、10月はもっとたくさんシフトを入れてお金を稼ぐことに集中すればよかった。な…

九月(日記)

ある季節とかたく結び付いたまま、何度聴いてもその頃の色を帯びている歌がある。過去の苦しみなどというものは、時間が経ってから振り返ると、ほんの稚拙な悩みであった。今の私であれば難なく乗り越えられるだろう。それでも、あの頃の私にとってはたしか…

八月(日記)

過去のエントリーを読み返して、なんだかこのブログは自分が思うよりずっと素敵なものかもしれないと感じた。昔書いた文章を読み返せるのっていいことだ。ほんの数か月前の記事でも、忘れていた出来事、感情、気温がそこにある。その季節だけの、その時期だ…

sleep, I wish you a sweet dream

草の匂いを胸いっぱいに吸い込んだり、星を眺めたり、そういう時間が少ない。そういうものはあの世に通じていて、ひっぱられすぎると現実の手触りが曖昧になってしまうから。目の前の人生に集中して欲しい時、意図的に距離を取るようにしている。 静かな雰囲…

Noism 春の祭典ほか 感想

作品の展開・演出に関するネタバレがあります。 Noismはめいっぱいの身体そのもの!という感じで気持ちいい。その身体に集中させてくれない「夏の名残のバラ」の演出はなんだか悪趣味。冒頭だけが録画かと思いきや最後に全部が録画と分かってなおのこと悪趣…

フェイクスピア

ネタバレになるのでツイッターでなくブログで。でもそんな重大なネタバレはないです。 一人だけ遊眠社ばりに走り回る野田秀樹(65歳) もはや何言ってるのか聞き取れない野田秀樹 途方に暮れて自転車を盗んだあの父親のように(デ・シーカ) 気球と、火を盗…

神楽坂

友人の舞台を観に行った。頼んでおいた花束を受け取ってから駅へ向かう。花束はあげる側も楽しい。手元に残らない花束でもきれいに出来上がっていると嬉しい。スカビオサという花の名前を新たに知った。 生の身体のエネルギー量に圧倒される。友人のダンス、…

4月

4月。書きたいことはさほどない。一度はそれなりに強い帰属意識を持っていた大学に、実際に通ったのはほんの2年と3か月だった。私が思うほどには自分が書いたものを人に読んで欲しいと思う人は多くないのかもしれない。私は口で話すよりも書いたものでコミュ…

3月

院試の勉強のため、1年生の頃の講義ノートを引っぱり出してきた。読み返してみたら記憶にあるよりもちゃんと理論的なことをやっていて、もし並行して授業内で紹介された本も読んでいたらかなり勉強になっただろうなと思った。当時、というかずっとだけど、私…

2月

やっぱり、鍵をかけない人格を一つインターネット上に置いておきたい気持ちがある。もともとは@オヤシロ20を大学アカウント兼匿名公開アカウントのつもりでずっとやってきたのだけれど、鍵かけないといけなくなってしまったから。そのうちまた新しく作って…

1月

1月5日、うわあという気持ちになって国語辞典と仏和辞典をいっぺんに買った。数日前に注文した本の分と合わせて、クリスマスにもらったアマゾンギフトカードを使い切ってしまった。手元にあって悪いものではないからいいのだけれど、やっぱり辞書って特別な…

4℃メモ

ブランド名に付属するイメージとか意味が、じゃまだなあと思うことはある。「このブランドの服を着ているってことは○○系の人だね」って勝手に括られる現象とか。 一方で、そういうイメージに頷くこともある。たとえば私は、マリクワは高校生っぽい、まあ大学…

地平線を覆うように、背の高い雲が東西に広がっている。季節外れに暖かい十一月のある日、畑のなかをゆく。かつてのトウモロコシ畑の一画に新しく建てられつつある家は、北から見ればただの家だが、少し低い南の道路から果樹を透かして見ると、西陽に光る城…

深夜ににくをくう(日記)

身体のいうことにあまり逆らっても仕方がない。やけにお腹がすく時は、そこそこ素直に食べている。少し前に、なにもしていないのに体重の十の位が繰り下がった。神経質に体型を気にすることがなくなったいまでも、軽いのはよいこと。身体を使うための筋肉が…

十月の初め(日記)

二階からリビングに降りていくと、金木犀の香りがする。季節性情動障害(診断を受けたわけではないが、高校生の頃から数年かけて自分はそうだと思うに至った)の予防には光を浴びるといいので、散歩をするように心掛けようと思う。昨日はドリンクのテイクア…

九月某日 (日記)

唐突な思い付きで両国へ行った。気になっていた舞台を観てきた。四日間しかない上演期間中の一日に人と会う約束が入った時に、じゃあ舞台のほうはやめとくか(あんま出かけると疲れそうだし)、と思ったきり忘れていたのだった。最終日の昼になって公式のSNS…

九月二十日 (日記)

ゼミの先輩に会った。彼女は修士の指導教官が退職されたあと京都に移って博士課程を続けている。去年会った時に、新しい指導教官と反りが合わないと話していた。またその指導教官はアカハラの傾向があるようで、同じ研究室のなかで彼との関係で停滞している…

村田エフェンディ滞土録

私は本をたくさん読むほうではないが、喉の渇きを潤そうとするように物語を求めることがある。Kindleで違国日記を飲み干し、次に梨木香歩の村田エフェンディ滞土録を読み始めた。 主人公の村田は、日本の大学から研究員として派遣され十九世紀末のトルコに留…

八月三十一日 (日記)

天気がカレンダーに忠実すぎる。8月31日なんて人間がつくった暦のうちのとある日付にすぎないけれど、わたしの意識には夏の終わりの日であると植え付けられている。夏がここを過ぎる日。 9月1日の朝は寒くて、目が覚めると咳をしていた。2年前に気管支炎予備…